ボトルネック・ステーション
ボトルネック・ステーションとは、生産ラインの中で利用率が最大のステーションです。生産ラインのキャパシティはボトルネック・ステーションのキャパシティによって決定されます。しかし、生産ラインのキャパシティが常にボトルネック・ステーションのキャパシティに等しいかと言えば、必ずしもそうとは言えません。
もし、生産ラインに1つのラウティングしか存在せず、かつ、そのラウティングにループが存在しない(=ラウティング中に同じステーションを使用する工程が2つ以上登場しない)ならば、生産ライン内の全てのステーションのスループットは同じなので、ボトルネック・ステーションのキャパシティがそのまま生産ラインのキャパシティに等しい、と言うことが出来ます。(下図)
しかし生産ラインに1つのラウティングしか存在しない場合であってもラウティングにループが存在する生産ラインの場合は(下図)
ボトルネック・ステーションのキャパシティがそのまま生産ラインのキャパシティに等しい、とは言えません。例えば、上の図でステーションCのスループットは生産ラインのスループットの2倍になっています。もし、ステーションCがボトルネックであるとすると、生産ラインのキャパシティはボトルネック・ステーションのキャパシティの半分ということになります。
生産ラインに複数のラウティングが存在する場合は、もっと複雑になります。
ラウティングが複数存在するので、全体の生産ラインスループットに占める各ラウティング毎のスループットの割合が変化すると、どのステーションがボトルネック・ステーションになるかが変わる可能性があります。生産ラインに複数のラウティングが存在し、さらにラウティングにループが存在する場合はさらに複雑になることは想像がつくと思います。