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何に注目したらよいのか? 何が目標か? 生産ラインの挙動 ボトルネックに注力せよ でも、ボトルネックがあちこち動くんです。 変動を抑えよ(工事中) かんばん方式(工事中) ボトルネックがどれだけの金を産んでいるか?(工事中) 隠れたボトルネック(…

このブログの説明

このブログは工場の生産管理に関する考察を記したものです。 ブログタイトルの 「サイクルタイムはより短く、スループットはより多く」 はこのブログの中心テーマです。すなわち製品をより短い時間で(=サイクルタイムはより短く)、より多く(=スループッ…

☆何に注目したらよいのか?

工場の生産を望ましい状態に維持するためには、まず工場の生産の状況を明確に測定出来なければなりません。それでは、工場の生産の状況を把握するのにどのような量を測定し、観測していけばよいでしょうか? その数量がどんなものであるかを考える前に、複雑…

☆何に注目したらよいのか? (その2)

「☆何に注目したらよいのか?」では、工場を見る時の基本的な概念をご説明いたしました。すなわち ステーション ジョブ ラウティング でした。 今度は、これらの概念を用いて、工場の生産の状況を把握するのに役立つ重要な尺度を5つ挙げます。工場の生産を…

☆何が目標か?

「☆何に注目したらよいのか? (その2)では、 工場の生産の状況を把握するための5つの尺度について述べました。すなわち サイクルタイム スループット WIP リードタイム 顧客サービスレベル が、それらの尺度でした。 では、これらの尺度が大きいほう…

☆何が目標か? (その2)

サイクルタイムを短縮することのメリットはまだあります。 その1は、売り時を逃しにくいということです。「これは売れる!」と思って作っても、市場に出るまでに時間がかかっていたら、その間にライバル会社が似たような製品を出してしまうかもしれません。…

☆生産ラインの挙動

1個、2個と数えられる部品や材料から製品を作る生産ラインでは、スループットとサイクルタイムの関係は下のグラフのようになります。 図1 上のグラフの目盛りの数字にはあまり意味がありません。ある生産ラインの例を示したと思って下さい。例えばスルー…

☆生産ラインの挙動(その2)

では、「サイクルタイムはより短く、スループットはより多く」という目標を達成するためには前回紹介したスループットとサイクルタイムのグラフ 図1(再掲) をどう変化させればよいのでしょうか? 前回、生産ラインには2つの限界があるとお話しました。そ…

☆ボトルネックに注力せよ

サイクルタイムをより短くスループットをより長くするための方策の第1はボトルネックを集中して改善することです。 ボトルネックとは何か? ではボトルネックとは何でしょうか? 直感的には下の図で示すようなものです。 図1 この図では、工場を水道管にた…

☆ボトルネックに注力せよ(その2)

なぜボトルネックを攻めるのが効率的なのか? 工場のキャパシティ(=スループットの上限)を決めるのは工場のボトルネックなのでした。(キャパシティを決めるとだけ言っていて、ボトルネック・ステーションのキャパシティに等しい、とは言わないのは、等し…

☆ボトルネックに注力せよ(その3)

ボトルネック改善はサイクルタイム短縮にも寄与する ステーションにおける、利用率と待ち時間の関係は、下のグラフのようになります。 図5 上のグラフの曲線の曲がり具合は、ステーションに装置が何台あるかとかその他の条件によって変わります。しかし、大…

☆ボトルネックに注力せよ(その4)

ボトルネックを改善するとは具体的にはどんなこと? 第一に挙げられるのは、ボトルネック・ステーションの稼動を止めないことです。ボトルネック・ステーションを注意して観察した時に、そこが部品待ちで稼動していない、とか、休憩時間だから停止している、…

☆ボトルネックに注力せよ(その5)

DBR手法 DBRとはドラム・バッファ・ロープの略ですが、どうしてこんな名前がついているかについては別途ご説明します(工事中)。ここでは名前にとらわれずにこの手法の内容を説明いたします。この手法の目的はボトルネック・ステーションが遊ばないよ…

☆でも、ボトルネックがあちこち動くんです。

「☆ボトルネックに注力せよ(その5)」ではDBR手法というものをご紹介しました。これは、ボトルネック・ステーションでジョブを1つ加工し始めたら生産ラインに新しいジョブを投入する、という方針で工場を運用するものでした。しかし、この手法をいざ、…

ボトルネック・ステーション

ボトルネック・ステーションとは、生産ラインの中で利用率が最大のステーションです。生産ラインのキャパシティはボトルネック・ステーションのキャパシティによって決定されます。しかし、生産ラインのキャパシティが常にボトルネック・ステーションのキャ…

利用率と稼働率

装置の利用率とは故障時間などを除いた装置が生産に使用可能な時間に対する実際に生産に使用した時間の割合です。 利用率=実際に生産に使用した時間/生産に使用可能な時間 これに対して装置の稼働率とは普通、故障時間を含めた装置の運転時間に対する実際…

☆リトルの法則の厳密な証明

まず、時刻0から時刻までの、のべWIP数 を考えます。ここには時刻の時のWIP数を表す関数とします。すると上記の積分は下図のオレンジ色で示した部分の面積を表していることになります。 この図でジョブよりあとに到着したジョブがより先に終わってい…

☆リトルの法則

リトルの法則というのは (平均WIP)=(平均サイクルタイム)×(平均スループット) が成り立つ、という法則です。 この法則が成り立つことは、サイクルタイムとスループットが一定値の場合であれば、以下のように考えれば直感的に分かります。 サイクル…

キャパシティ

キャパシティはスループットの上限のことを言っています。キャパシティは工場全体についても言えますし、ステーションについても言えます。ステーションのキャパシティは、そのステーションの利用率が100%の時のスループットになります。工場のキャパシ…

リードタイムと顧客サービスレベル

このブログでは、リードタイムはサイクルタイムと別の意味で用います。サイクルタイムは対象となるラウティングの区間を通過するのに実際にかかった時間を意味しますが、リードタイムは通過する時間の目標値を言います。つまりサイクルタイムは結果であり確…

WIP

ラウティングの始まりと終端の間にあるジョブの数がWIPです。

スループット

スループットは、装置や、装置の群であるステーションや、工場について定義され、単位時間に装置や、ステーションや、工場を出て行くジョブの数です。 上の図は工場のスループットを説明している図です。しかし、スループットは工場についてだけでなく例えば…

サイクルタイム

サイクルタイムは通常は、上の図に示すように、ジョブが工場に入ってから完成品として出てくるまでの時間を意味します。厳密にはラウティングの始まりでジョブがリリース(工場の中に処理のために入れられること)されてから、ラウティングの最終の完成点に…

ラウティング

ラウティングは、ジョブが工場内で処理される順序を表わしたものです。最初にどのステーション(=装置群)で処理され次にどのステーションで、その次にどのステーションで、という順序を示します。 この図ではラウティングは、ステーションA→C→D→F→完了…

ジョブ

ジョブは、工場内を動いて装置で処理される材料のひとかたまりを意味します。 ジョブはラウティング(=プロセス・フロー)に従って工場内のさまざまなステーション(=装置群)を渡り歩き、そこで処理され、最終的に完成品となって工場から出て行きます。

ステーション

ステーションは、同一の機能を持つ1つ以上の装置から成ります。 工場は複数の装置から出来ているわけですが、それらの中には同じ機能を持つ装置が複数台あると思います。それらをまとめたグループがステーションです。同じ意味で「装置群」と言う場合もあり…