☆リトルの法則の厳密な証明
まず、時刻0から時刻までの、のべWIP数
を考えます。ここには時刻
の時のWIP数を表す関数とします。すると上記の積分は下図のオレンジ色で示した部分の面積を表していることになります。
この図でジョブよりあとに到着したジョブ
が
より先に終わっているのに注意して下さい。サイクルタイム(
)に変動があるために、このようなケースもあり得ることをこの図で考慮しています。
次に時刻0から時刻までに到着したジョブのサイクルタイムの合計を考えます。この例の場合、時刻0から時刻
までに到着したジョブは
〜
です。よって、それらのジョブのサイクルタイムの合計は、下図のオレンジ色の部分の面積になります。
これをで表すことにします。
さらに時刻0から時刻までに完了してラインから出ていったジョブのサイクルタイムの合計を考えます。この例の場合、時刻0から時刻
までに到着したジョブは
〜
と
です。よって、それらのジョブのサイクルタイムの合計は、下図のオレンジ色の部分の面積になります。
これをで表すことにします。
この3つの図を比べると、
が成り立つことが分かります。この式をで割ると
となります。ここでジョブの完了数をとすると
また、ジョブの到着数をとすると
ここでとすると
となります。ただしは平均サイクルタイムを、
は平均スループットを表します。
よって
となります。
また、
となります。ただしは平均WIPを表します。
よって
は
となるので
となります。つまり
となります。これでリトルの法則の証明が出来ました。