☆ボトルネックに注力せよ(その3)

ボトルネック改善はサイクルタイム短縮にも寄与する

ステーションにおける、利用率と待ち時間の関係は、下のグラフのようになります。

  • 図5


上のグラフの曲線の曲がり具合は、ステーションに装置が何台あるかとかその他の条件によって変わります。しかし、大まかな形は変わりません。利用率が100%に近づくにつれて待ち時間は急速に大きくなって発散します。


さて、ボトルネック・ステーションとは、生産ラインのなかで利用率が一番高いステーションのことでした。ですからボトルネック・ステーション利用率は100%に近いところにあります。そしてその他のステーションボトルネック・ステーションより利用率が低いことになります。改善によってステーションキャパシティが大きくなると(例えば故障率を減らすと)利用率が下がります。上のグラフから分かるように、もともと100%に近い利用率ステーション利用率が少し下がると待ち時間は大きく減ります。

  • 図6


一方、もともとの利用率がそれほど高くない場合は、利用率が少し下がっただけではあまり待ち時間が減りません。

  • 図7

このためボトルネック・ステーションを改善したほうがその他のステーションを改善するより効果的に待ち時間を減らすことが出来るのです。待ち時間が減れば生産ラインのサイクルタイムも減るわけです。こんなわけでサイクルタイム短縮においてもボトルネック・ステーションを優先して改善したほうが生産ラインの生産性が効率的に改善されるのです。