☆ボトルネックに注力せよ(その2)

なぜボトルネックを攻めるのが効率的なのか?

工場のキャパシティ(=スループットの上限)を決めるのは工場のボトルネックなのでした。(キャパシティ決めるとだけ言っていて、ボトルネック・ステーションキャパシティに等しい、とは言わないのは、等しくない場合があるからです。それについてはここを参照ください。(ボトルネック・ステーション))
それでは下のグラフ

  • 図3

のようにスループットの上限を増加させるためには、ボトルネックキャパシティを増加させる必要があります。つまり、一番狭いところを拡げる必要があります。


えっ?「そんなことあたりまえ」ですって?。ええ、あたりまえのことです。でも、ちょっと考えてみて下さい。実は今までボトルネックではないところを一生懸命改善していた、ということはありませんか? たとえば下の図に示す場所のことです。

  • 図4

こんな場所を一生懸命改善しても工場のキャパシティは増加しません。


「でも、工場のキャパシティは増加しなくてもサイクルタイムは改善される(短くなる)だろうが」ですって? ええ、確かにサイクルタイムは短縮出来るでしょうが、実は、通常の工場では、サイクルタイムのかなりの部分が待ち時間なのです。そしてボトルネック・ステーションを改善したほうがそれ以外のステーションを改善するよりずっと効果的に待ち時間を削減出来るのです。次は、その話をしましょう。


その前に補足。
今まで「改善」と言ってきましたが具体的には各装置の処理時間を短縮する効果を持つ改善と各装置のキャパシティを増加させる効果を持つ改善の2つを想定しています。そしてこの2つの改善効果は無関係ではないのですが同一でもありません。このあたりの関係についてはここ(工事中)で説明します。