☆ボトルネックに注力せよ

サイクルタイムをより短くスループットをより長くするための方策の第1はボトルネックを集中して改善することです。

ボトルネックとは何か?

ではボトルネックとは何でしょうか? 直感的には下の図で示すようなものです。

  • 図1

この図では、工場を水道管にたとえています。図の上の水色の矢印が水道管に入ってくる水を表しています。その下にある変な格好をしたものが水道管を表しています。この図の水道管は現実の水道管と異なって場所によって太さが異なっているとしています。水色は水を表しています。下の矢印は水道管から出て行く水を表しています。この図から分かるように、水道管から出て行く水の量は、水道管の最も狭いところ、で決まります。この最も狭いところボトルネックです。


もっと正確に言えば、この図は水道管から出て行く最大の水の量を表しています。というのは、入る水の量がわずかなら、出て行く水の量もわずかになるからです。ところで、水道管から出て行く水の量が工場ではスループットにあたります。そしてスループットの最大値のことをキャパシティと呼ぶのでした。すると上の例は工場ではどういうことを言っていることになるでしょうか?




そうです。工場のキャパシティを決めるのは工場のボトルネックである、ということになります。では、工場のボトルネックとはどんなものでしょう。工場は水道管とは違って、見ただけでは狭いかどうか分かりませんので、ここは落ち着いてボトルネックの意味を確認しておいたほうがよさそうです。まずは、簡単な例を考えます。下の図のように直列の3工程からなる工場を考えます。

  • 図2

各工程はそれぞれ1台の装置からなるとします。そして

  • 工程1を構成する装置1は1時間あたりに4個、部品を加工することが出来、
  • 工程2を構成する装置2は1時間あたりに3個、部品を加工することが出来、
  • 工程3を構成する装置3は1時間あたりに4個、部品を加工することが出来

るとします。この場合、工程2がボトルネックになります。そして工程2によってこの工場全体のキャパシティが決まります。すなわちそれは工程2のキャパシティと同じ1時間に3個になります。


もっと複雑な工程の場合や、複数の製品を生産している生産ラインの場合についても同様に考えられます。詳しくは、こちらを参照して下さい。(工事中)



ボトルネック工程という言葉をよく耳にしますが、ボトルネックとは本来ステーションについて定義されるものです。それではボトルネック・ステーションの定義を掲げておきましょう。


ボトルネック・ステーションとは、生産ラインのなかで利用率が一番高いステーションのことです。